ウォンマガ夏フェス 感想②

ウォンマガ夏フェス2015感想続き。
拝読したときの感覚を言葉にしようとしたら、わりとわけのわからないことになりました。
けど、適切な言葉で表現することのできない非力さをただ嘆くだけのカナシイ僕ごっこをしていてもしょうがないと思うので、構わずぶん投げます。

美しいままあなたが逝くなら

現代ファンタジー。
古めかしい…というよりも和風クラシカル(?)な地の文と、なうでヤングな台詞と小物づかいが違和感なく融け合っていて、いい意味で独特な読み心地でした。
人外ミーツガールなんですけれど、透明感というか清らかさが漂っていているんですよね!
文章もストーリーもびっくりするほどすんなりと身体にしみこんでいくが不思議。作品の持つテンポのおかげ…?
それにしても、ものすごく続きが気になるラストだなぁ…。

ひだまりの道の先で

現代恋愛もの。
読み手の心にすごくやさしいお話。ノンカフェインな感じ。
くったくのない幸せにひたれるような空気に満ちています…。ささくれた心が癒される…。
描かれているのは甘酸っぱい恋愛なのですが、キュンキュンキラキラ☆ミな感じではなくて、落ち着いていて、胸の奥にじんわりとしみこむような感じ。
子どものころ、わりと頻繁に海辺でガラス片を探していたので、主人公たちの行動にも親近感がわきました。

わたしの洞に朝が満ちる

異世界ファンタジー。
きれいめなんだけれど決して弱々しくなくて、むしろ力強くて、夏の鮮やかな緑や、風渡る高原っぽい印象(?)を受けました。
序盤はちなまぐさいんですけれども、でも実は真相はぜんぜんちなまぐさくなくて、そこには深い命の継承があって…!
雰囲気も、物語の方向性も、主人公たちの感情の流れも、なにもかもがさわやか。
でもさわやかなだけじゃなくて、あたたかで、生命力にあふれています…。

銀色のセレナーデが聞こえる

異世界ファンタジー。
長い物語の主人公が去った、その後のお話…といった印象。
夏の日差しを浴びながらゆったりと流れる水のイメージ。水底まで光がすっと届いているような…。
みずみずしくて女性らしいしなやかさがあって、作中で出てくる「水乙女」という単語が、すごくしっくりくる雰囲気でした。
今はもういないひとがもたらしたものによって成長した人びとの姿は、人生に対して真摯で、とってもさわやか!

ジルコニアの涙

現代もの。
こういう時空を超えて想いをつなぐアイテムが出てくる話に弱いので、作品を読み終えたときの私はすっかり浄化された顔をしていたと思います。
物語の流れも、登場人物たちの想いも、すっごくきれいで澄んでいるんですよね…。
そりゃまあ読み手(=私)が浄化されちゃうわけですよ…。
ペンダントの石が本物のダイヤモンドではなくてイミテーションなところも、若者が一生懸命恋をしていた感じが出ていて、胸が熱くなりました。