『くるぶしにくちづけ』感想

まゆみ亜紀さんの薄い本の感想。
J.GARDEN41戦利品。

■ タイトル:くるぶしにくちづけ
■ ジャンル:『生徒で甥っ子の年下攻めに世話を焼かれる高校教師のハッピー足舐めBL』

たしかにリリカルでハッピーで足舐め(くるぶしにくちづけるだけじゃなくてちゃんと足裏まで舐めます)BLなんですけど、徹底してお花畑かというとまったくそんなことはなく…。
健全で快活そうな男子高校生が実は粘着質な面も持っていて相手しかいないときはほの暗い目をしてさいごまで執着たっぷり、とかそんなのが大好きなので控えめに言って最高でした。
あと、関係性の根っこに罪悪感があるのも実によかったです。
繰り返しますが、明るくて光に満ちているものの裏に暗いものが見え隠れしているのはたいへんよいものです。
この明るさと暗さのさじ加減が絶妙。
軽やかさを保持しつつ屈折した要素もしっかりと描かれていて、それが独特な風味になっている印象です。

足舐め以外にもなかなかなかなかな描写がちりばめられていて、個人的には嘔吐のお手伝いがすごくぐっときました。
そこまでお世話しちゃうんだ…そしてお世話されちゃうんだ…という驚愕と、行為そのもののえっちさが圧倒的。
スケベというよりは変態って感じのお話ですが、繊細でときに激しい心理描写も印象的なので、ただの変態小説ではない感にあふれています。
特に大志とトマトのシーンで描かれている感情の細やかさ、鮮やかさ、そしてわかりやすさがやばい。