ウォンマガ夏フェス2015感想続きの続き。
つまさきだちで明かす空
西洋風ファンタジー。
幼なじみ男女の青春で恋愛な(私の胸が)熱いストーリー。
少年の帰りを信じて待つ少女は尊い…
しかも少年は少女のために危険をおかすんですよ…
それが少女を悲しませ必死にさせるんですよ…
罪深いけど少年の気持ちももちろんわかる…
なんかもうおまえらさっさと結婚しちまえって感じですよ…
港町に伝わる昔話っぽいというか、夢見がちな雰囲気じゃまったくなくて、ずっしり硬派でたしかな感じ。
花跡の待ちびと
異世界ファンタジー。西洋風。
こちらは幻想的で、森にまつわる伝説といった雰囲気のお話。
それもそのはず、化石がモチーフです。
かつて生きものだったものが石になってしまうほど長い長い時間が、化石というアイテムを用いて語られています。
琥珀のにおいがしそうなくらいしっとりかつしっかりとした語り口がまた、モチーフを際立てているんですよね…
「神域」という単語がしっくりくる作品。
誰にも言えない物語
現代ほんのりファンタジー。
ノスタルジックな設定にストーリー、そこにあったかくてやわらかいネコをぶち込んで、心に寄り添う感じに仕上げられてしまったら、読み手は当然切なさを覚えつつもほっこりしてしまって声を殺してむせび泣かざるをえないだろ…と壁を殴りそうになりました。
ネコだって歳をとるからこそ、それなりに長い年月が流れたんだなぁ…って、しみじみ感じ入ってしまったから、やっぱりネコは偉大な生きものだ…
いつか朽ちるひかり
近代…?近現代…?西洋もの(※世界史できません)。
ちょっと群像ものっぽくて、女性が自立していて、いい意味でめまぐるしくて、とても華やかな物語。
華やかといっても、きらきらしている感じではなくて、なんというか生命の力強さを感じるというか…
地の文もできごともにぎやかだからこそ、このにぎやかさが過ぎ去ってゆくのが寂しくもあり、
でもみんな変わらず、あるいは変わりながら、強く生きていくんだろうなぁ。
共鳴する第五指
現代和風ファンタジー。
短…編…?となるほど濃密でボリューム感のある作品。
文章の食べごたえもあればストーリーのギミックも効きまくり。
主人公とヒロインの背景にある設定が明らかになったとき、物語の印象がガラッと変わったというか、ふたりの関係の見え方がぜんぜん違うものになって、ぞくっとしつつもたぎりました。
大好物の幼なじみ男女ものなんですけれども、この関係はなんというか…もう…頭抱えざるを得ないですよ…