ウォンマガ夏フェス 感想⑧

ウォンマガ夏フェス2015感想続きの続きの続きの続きの続きの続きの続き。

あなたに降りそそぐ慈雨

岩塩ファンタジー。
ヒースの群生に乳白色の岩塩ときて、あー、異国だなぁ…とその世界のにおいをかいでいるうちに、ほんのりと土の味を感じはじめましてね…
生温かい泥のなかで夢を見ているような感覚、夢に出てきた接点がなかったのに懐かしい少女、塩の花、記憶にないのに既視感がある…と、質感はあるのにどこか現実感にとぼしいというか、全体的にけだるい夢を見ているような感覚がつきまとっていて、そこからのあの展開…アタマを抱えるしかありませんでしたね…
クライマックスからラストにかけて、うぇっ……あ…………(沈黙)ってなったけど本望…そういう話が好きなんです…

迷子の此岸を星の仔とゆけば

転生ファンタジー。東洋風というか和風というか。
ロマンチックな要素がちりばめられていて、遠くでにじんだ光がきらめいていて、天の川にひたっているような感じのお話でした。
なんというか、はるか遠くにある雄大な流れに、物語を通してほんのひととき触れたような質感が残っているというか。だから天の川。ふわっとやわらかくて、指でかき混ぜたら光の粒子が筋を描きそうな…?
真実が判明したときにウワアアァアアってなりましたね…。こういうとても大きなものが個人の物語に落とし込まれていると、たいへん興奮します…

ちかしく、雫に宿りえぬ

近代ファンタジー。
あの、こういう大勢の方が参加している企画で、作者名を見て物語の内容を想定するのは無粋な気もするんですが、それでも嫌な予感(期待ともいう)があまりにも大きすぎて無視できなくてですね…
霧の中の館、貴人を幽閉するための場所、つめたい霧と時空のねじれ…って舞台設定を列挙した時点でこころぴょんぴょんせざるをえなかった。
まさか夏フェスで○○が飛び散るシーンを読むことになるとは思いませんでしたね…
後半の展開は仕掛けが一気に発動する勢いがすさまじくて、描かれている感情も実に狂おしくて、読み終わってからしばらくなにもいえませんでした。

今宵、金緑の双眸と恋に落ちた

ねえ、ファンタジーだと思った? ファンタジーだと思った!?
きれいな雰囲気の作品はいろいろあれど、こう、やわらかでしなやかでさわやかな感じのきれいさとはなかなか出会うことがなかったので、作品の空気感に触れているだけでも幸福感がありました。
特に、妖精さんの語るダムの話や恋の話の、鮮やかな緑生い茂るようなのびやかさと連続性?がたまらんです…
ラストも私にとっては予想外でした…妖精さんの瞳がごりっときらきら印象に残っています。

盲目の野百合

ハイパー(野)百合ストーリー。ごちそうさまです。
なんて狂おしい…! 影に潜む闇によって野百合さまの美しさと崇高さが際立ち、さらにそれが沁み入るように伝わってきて、主人公といっしょになって野百合さまに荒ぶってしまいました…これはもう惚れるしかない…野百合さまのしゃべり方にもときめいてしまう…
凛と清らかなうつくしさのなかに、つやっぽさもあって、たいへんどきどきしました。
紅色の花弁の押し花だけの手紙…って、こう、ひかえめなのに熱のようなものもあって、とてもグッときました…

うなじに夏をかくまって

OL百合ストーリー。
まさか夏フェスで「ラブホ」という単語を見るとは思いませんでした…ウホッと思ったらそういう展開で、私はなすすべもなく赤面するしかなかった…。でも、悠奈さんかわいいからしょうがないよね…そうなっちゃうよね…
というか悠奈さん、繰り返しになりますがほんとうにかわいいんですよ! 見た目もかわいけりゃ中身もかわいい! オンとオフとでがっつりギャップを出しちゃうなんて、誘ってますよね!? 後輩のことさそってますよね!!?! はいさそってましたー!!!!!