覆面作家企画7 Cブロック感想&推理

覆面作家企画7 Cブロックの感想&推理です。
ツイッターでつぶやいた内容に加筆したりしてなかったり。

C01 歌うたいの賛歌

あっこれぜったい悲しい話だ…だって主人公が歌姫(※男です)だし…なら悲恋ならしょうがない、序盤のちょっとえろいイチャつきもゆるしてやる…と謎の上から目線を伴いながら、「あ、やっぱ選ばれるってことはロクでもねぇ…」と無常感(?)に襲われていたら、救いという光のあるラストで、読み手である私まで救われました…。でもなんだか床でも殴りたい。
ちなみに読後3ヶ月弱経った今、一番強く印象に残っているのは、やはり序盤のほのエロいイチャつきです。

C02 真夜中の乙女はラプラスの夢を見るか

タイトルでワクワクする作品はおもしろいの法則。
いのちなきものでありながら自分の中心にある炎に煽られ、存在を放り出してでも行動するのはとても燃える…。対象になかなかはたらきかけることのできない歯がゆさもまた!
SFなんだけど、硬さというか咀嚼しにくいところはぜんぜんなくて、大気のない空間で無数の星の光を感じているような、きらめきというか華やかさがすごく印象的。

C03 きらきら星をさがして

子どもって目を離すとすぐ消えるよねー!ってつっこむところ(つっこんでない)そこかーい!ってなぜか脳内漫才が止まらない…。
読んでいる私が照れてしまって、居心地が悪くなって、脳内でふざけ始めるほどに、お母さんがすごくお母さんでした。圧倒的お母さん。
お母さんの感情が読み手である私の心臓のすぐ近くにあるような感じで、作中の出来事が我が身に起こっているかのようで、読んでいてドキドキしました。

C04 ブルームーン

!?!?!!!?!!?!!
読み終わった瞬間、ほんとうに↑みたいになりました。
数年に一度の機会に天使が人間の姿をとって、めくるめくトキメキ経験するハートフルなストーリーだと思っていたのに…別の綴りのハートフルでした…。
天使ちゃん、無防備すぎるなぁ。でもだからこそ人間との出会いがあるのだよ…とは思ったけど!けどさぁ!

C05 狼たちの夜

香港が舞台で、銃が出てくる時点で血がたぎる…。
細かいところに関係性やら想いがにおわされていて密度が高くて、重たいしっとり感も漂っていて、無骨な要素を際立たせているというか…。
雨のなかというのが、情動を燃焼させたくてもできない感が出ていてたまらない。
無骨なのに、いや無骨だからこそ色気ムンムンなお話で、特にラルフがすごく色っぽいというか…えっちぃなぁ…。

C06 甘やかな墓標

喪服姿の未亡人か…ほほう…なんて余裕ぶっこきながら読み進め られなかった。
どんどん不穏になっていく空気に、(あ、これやばい話だ…)とゾワゾワしました!
「愛している」のくだりは(やばい…)そのものだったたし、床をのたうちまわっているのもやばかった!
怖いんだけど、冷たく湿った、ほんのりと鼻の奥に甘いにおいがのこるような色気が、すごく印象に残っています…。

C07 世の光

ふにゃふにゃ感の中に、妙に納得するというか、「あー」と思う言動が散らされていて、なんとなく自分もこの世界の住人(たまたま作中に出てないだけで)な気がしてきました…。
ゆるいようで、ちゃんと先に進んでいる…って感じがして、読後感はとても気持ちいい。
出てくる単語や小物のインパクトが強くて、特に「蹴るヒャー」は脳裏に焼きついて離れません…。ホームセンターに行って、ケルヒャーを見かけるたびに、この作品を思い出すレベル。

C08 私のヒカリ

美形アンドロイドがママで、でもときどきパパで…?というところがすごく楽しい。
光そのものに溢れてて、しょんもりとしていた気持ちが一気に回復しました。子ども視点の親子ものに死ぬほど弱いんです…。
素直な感情の吐露に、胸があつくなりました。

C09 光牙と土竜

ほの暗い世界観のゾンビもの!生者の物語だなーという印象。泥臭さを伴った、強い生の感覚というか。
死臭を防ぐためのガスマスクとかたぎるに決まってる…。旧型のハーレーってなんだその悶絶級トキメキアイテムは…。しかも愛する弟の首をはねるのが目的とか、読んでいて性癖がめっちゃうずきました…。
はじめて読んでから3ヶ月弱経った今も、椿ヶ原に頭蓋骨が白く咲く様子が脳内再生できます。すごく映像として映える文章と小道具づかい!

C10 ネズミと王女

やっぱりお姫さまをさらって逃避行はロマンですよ!
ずっと太陽を知らなかった人間が、外の世界にあこがれて、光を求めて危険をおかしてひた走るとか、その時点で大歓喜でした…。
冒険したからこそ褒賞を手に入れられる、という図式が大好きなので、読後感もたいへんよかったです。

———————–ここから先推理———————–

C01 竹野内碧さん
C02 玉蟲さん
C03 真冬さん
C04 瀬古冬樹さん
C05 くまごろうさん
C06 はなふじマディ子さん
C07 歩く猫さん
C08 紅 和花さん
C09 ろくさん
C10 和泉有穂さん

■C01→竹野内碧さん
文章レイアウトで即決しました。

■C02→玉蟲さん
タイトルと文体でちゃちゃっと当てはめ。どことなくきらめきがある雰囲気も玉蟲さん。

■C03→真冬さん
文章のリズムとやわらかさで推理。

■C04→瀬古冬樹さん
文章のリズムと、ストレートな表現が多い点で推理。

■C06→はなふじマディ子さん
ほの暗いエロス…といったらC06でしょ!と雰囲気で即決。

■C05→くまごろうさん
しっとり色っぽいにおいを感じたんですが、C06はすでにはなふじさんを当てはめたあとだったので、もうひとつの色っぽい作品のC05に。

■C07→歩く猫さん
感想を拝読し、カメラアイにこだわりのあるタイプだと感じだので、一番主観力(????)の高い作品を当てはめ。超邪道推理。

■C08→紅 和花さん
文章のリズム(短文!)で即決。

■C09→ろくさん
冒頭の情報の出し方と、あと言葉の選び方で、即C09だと思いました。

■C10→和泉有穂さん
順調にC01からC09まで埋まってしまったので、C10が和泉さんということに…。
消去法100%ではあまりに雑すぎるので、サイト掲載作とC10を照らしあわせてみたら、違和感がなかったので決定。