なにかを書いた先から書く前のこと・書いていたときのことをさらさらと忘れていくので、未来の私が過去を振り返って「私は…虚無を生きていた…?」と真実に気づいてしまわないように、記録を残しておこうと思いました。
つまりこの記事は私のライフログです。小説も私のライフログです。
存在するのかわからない未来の私のために、今現在の時間と命を削って文章を吐き出すのは、なんとも趣深いような気がします。気のせいかもしれません。
『星の名前を知らなかった』
長さ:10万字強
制作期間:2018.2~2018.8
発表形態:同人誌
ジャンル:異世界集団転移もの/BL
【#COMITIA125 新刊】『星の名前を知らなかった』
カバー付き文庫/264ページ/1000円
滅び行く異世界に集団転移した男子高生ふたりの死と孤独の物語。
装画は白飯かぶき様( @shiraikabuki )にお願いしました。
試し読み→https://t.co/nnB2kvypwr pic.twitter.com/U1bQW0yhm7— 捺🍜知らぬまま完結 (@nat_zki) 2018年8月15日
表紙が最高…最高すぎる…。
魂がオタクなのでカバーはペルーラで刷りました。最高です。
3月の庭で発行できなかったことは置いておいて、それなりにプロットもちゃんと作ったし作業時間も確保していたはずなのにぜんぜん仕上がらなくて泣いたし死にました。
しかもR-18にしようと意気こんだものの「こいつらぜったいセックスしないわ」という結論に至りました。
そもそもエロが好きってわけでもないことに気づいてしまい…嫌いでもないけどべつになくてもいいかなって…。
そんなわけで「好きなもの・書きたいもの」と「書きやすいもの・書いていて楽しいもの」はぜんぜん違うんだな、ということがはっきりとわかった作品です。
あと、「実はそこまで好きってわけじゃなかった」という要素が浮き彫りになりました。
書き上げるのが先か、私が死ぬのが先か、という(私が)死と隣り合わせだった作品ですが、困難が多かった分非常に学びが多かったです。
「恋愛感情が書けない」「恋心と性欲が連動する感じがさっぱりわからない」「ファンタジーは管理しなければいけない情報が多すぎて難しい」「そもそもファンタジー設定を考えるのが好きではない」「高校生の人間関係とそれにまつわる心の動きが一番書きたい」「ひとが死ぬのはおもしろい」等々……。
これらを大いに考慮しながら作ったのが、『恋を知らぬまま死んでゆく』です。
技術面では特に構成とプロットの作り方において気付きが多かったので、死にながら書き上げてよかったです。
あと、「早起きして脳みそが元気なうちに書き進める」「ポメラを持ち歩いて隙間時間に書く」「家に帰る前に原稿を進める」ということができるようになった(できないと死ぬ状況に追い込まれた)のもこの作品のおかげですね。
装画の白飯かぶきさんにキャラデザしてもらえたり介護してもらえたりしたのですごくよかったです。
『恋を知らぬまま死んでゆく』
長さ:10万字くらい
制作期間:2018.10~2018.12
発表形態:Web(カクヨム)
ジャンル:青春ライトミステリー
【宣伝】『恋を知らぬまま死んでゆく』
「失恋した」と言い遺して海で死んだ幼なじみ。彼女の死の真相を知るために、女子高生の聖良は同級生に「恋を教えて」と頼み込むが――。
好きだけれどわかり合えない、青春ライトミステリー。https://t.co/uZWvVu2N4R#カクヨム #アセクシャル #アロマンティック pic.twitter.com/hjAcrxXqxy— 捺🍜知らぬまま完結 (@nat_zki) 2018年11月23日
タママさんに宣材用イラストをお願いしたんですが最高なんですよね…。
『星の名前を知らなかった』で学んだことを新作で試したかった&「カクヨム×魔法のiらんどコンテスト」に出すのにちょうどよさそうなネタだったから手を付けた作品です。
制作期間2ヶ月弱(プロットを入れたら2ヶ月)で10万字書けるじゃん!!!!!!!!!!っていらん自信をつけそうになったのですが、書く時間の確保のために仕事を減らしていたことを思い出しました。ちなみに私は無職です。
基本を確実に押さえながらきちんとプロットを作った…作れたはず…作れたような気がする…のでさすがに書きやすかったです。後から書きなおしたり削ったりした部分が(私にしては)非常に少なかったので。
そもそも太古の昔から私が一番書きやすいのは一人称の青春ものなので、「ファンタジー」「(主人公の)性愛」といった比較的書きづらい要素をパージしたら書きやすくて当たり前なのでは…という気もします。
でも、同じく一人称の青春ものの『花と死体』はプロットをほとんど切らなかったせいであとから筋を通す工程が死ぬほど大変だったので、やっぱりプロットは大正義だと思いました。長編ならプロットに1ヶ月くらいかけてもいいかもしれない。
今回はぜったいに10万字以内で終わらせなければいけないので、悪意は徹底的に排除しました。
その結果、悪意がなくても人間関係はつらくなるものなんだな、ということがわかりました。
あと、暴力とか不浄とかそういう要素がないほうが、やっぱり読んでもらいやすいのかな…と感じたりもしました。ひさびさに自主レイティングのない話を書いた気がする。
この作品を書く(というか公開する)に当たって、「宣伝をがんばる」という目標もありました。
なので最高のイラストを添えたツイートをしつこく流し続けたのですが、今までの人生で一番反応をいただけました。
特に激エモ透明感ヤバヤバなタママさんのイラストの効果は絶大で、ふだん一次創作小説を読んでなさそうな方にも届いていたっぽくてすげーーーーーーーとなりました。
序盤で複数の問を投げかけて終盤で回収できるように話を作ったつもりなので、あと、各話の引きを作ろうとがんばったので、「一気読みした」という言葉をちょこちょこいただけてめちゃくちゃうれしかったです。
「恋愛ものが好きなひと」「恋愛ものに疎外感を覚えるひと」とのあいだに断絶を作りたくなかったのですが(なぜならビーズログ文庫さん選考のコンテスト用の作品だから…)、そのへんもまあまあうまく処理できたんじゃないかな~と、いただいた反応を眺めながらニコニコしてました。
今後の課題は「舞台設定の有効活用」ですね。
「私が知っているそこそこひとの少ないきれいな海」という条件で葉山を舞台にしたのですが、冬だと高校生が遊ぶ場所はないので、どうしてもデート編は町外にするしかありませんでした。野食の聖地だからそのへんの草でも食わせればよかった。
あと、もうちょっとアッパーな展開とダウナーな展開のコントラストがはっきりさせたいというか、物語の潮流の変化をもっとシャープにしたいな、と思いました。後半、真綿で首を絞めるような感じになってしまったので…。
ミステリー要素が弱かったのも課題点ですね。これに関しては数をこなして慣れていくのが一番手っ取り早そうです。
久々に本文を書いていて楽しかったので(特に前半)、そういう意味でも思い入れの深い作品になりそうです。
更新する度にツイッターで煽っていただいたり、仕込んだネタが全部バレているのではないかビクビクしたり、宣伝を拡散していただいたり、ファンアートを描いていただいたり、評価いただいたり、感想をいただいたり、レビューをいただいたりと、いろんな方々からのお力添えあって仕上げることのできた話なので、その事実を噛みしめていきたいです。「自分の力で書き上げたんだ!」と思うより、「環境に恵まれたんだ」って考えたほうが精神衛生上よろしいですし…自分がダメなときに「まあ環境的な要因も大きいよね」って言い訳しやすくなるんで…これ言う必要あったか?
2019年の抱負
上半期に長編1本、下半期に長編1本…いけたらいいんですけど、たぶん短編を寄稿させてもらえるのでは!?という気配もちょっとするので、上半期は短編メインになるかもしれません。そして文章のテコ入れをする。
下半期は2013年に書いた長編の改稿をしたいです。毎年「今年こそは…!」と言っているので、2019年こそはやっつけます。少なくとも人生が終わる前にはなんとかしたい。